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涼宮ハルヒの選択 ― Endless four days ―  このエントリーを含むはてなブックマーク

ハルヒ「安価でキョンに告るわよ」
涼宮ハルヒの選択
涼宮ハルヒの選択2
涼宮ハルヒの選択 ― Endless four days ― ←今ここ
涼宮ハルヒの選択 ― Endless four days ― 完結



1 名前: ◆.91I5ELxHs [] 投稿日:2007/12/16(日) 18:53:26.97 ID:TQ2adfHR0
Prologue

僅かな暇も与えまいとひっきりなしに飛び込んでくる非常識的出来事は
容赦なく俺の自由な時間を蹂躙し強奪し、それはもう暴虐の限りを尽くしていたのだが、
その元凶たる我がSOS団団長涼宮ハルヒは俺とは脳内構造が真逆のようで、
状況の不可思議性に1マクロの猜疑心も抱くことなく日々を愉しんでいた。
時は金なりと古人は言った。が、それは大きな間違いである。何故かって?
俺がハルヒに搾取された時間を換金したらそれこそ零が幾つあっても足りないに違いなく、
例えその金額をハルヒに提示したところで、消費分が還ってくることは未来永劫ありえないからだ。

なーんて長ったらしい口上を垂れていたのが昔の俺なんだよな。
昨年の春からというもの、俺がため息をつく機会はめっきりと減っていた。
別に聖人君子の如き強靱かつ柔軟な精神力を手に入れたわけではない。
周りの環境が変化し、自然と俺の心の湖が波立たなくなっただけのこと。
外宇宙生命体と邂逅を果たしたことも、超能力者同士の抗争に巻き込まれたことも、
未来人と一緒に時間渡航したことも、いつも事件の渦中にいた神様が、俺を振り回していたことも……

今ではもう、遠い昔の記憶だ。
俺は至って平凡な毎日を送っている。

―――三年目の春。俺たちは、受験期を迎えようとしていた。


ハルヒ「安価でキョンに告るわよ」
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1196840283/
を乗っ取ったことから始まった、即興ハルヒストーリー

【今北人へ】
このスレは安価で物語が進行していくSSスレです
空気の読める人も読めない人も、気軽に参加してください




5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 18:54:41.61 ID:TQ2adfHR0
安価の例

[選択式]

ex)古泉がゲームに誘ってきた。俺は、
1、暇だしつきあう
2、今日は気乗りしない

※選択できる数は場合によって変わる。大体2つでたまに3つ

[自由記入式]

ex1)電話がかかってきた。こんな時間に誰だろう?
名前自由記入「     」

ex2)今日は団活は休みらしい。特に放課後の予定はない。
行動自由記入「     」     


話の流れを変える度合いなら自由記入の方が大きいが、
ルート確定したら選択式のが重要になる。現在ハルヒルート確定。
違うキャラを攻略したい人は、二週目まで待って欲しい



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 19:00:23.96 ID:TQ2adfHR0
それでは前回分含め

【四日目 夕刻 テーマパーク内[ジェットコースター前]】

からスタート



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 19:03:26.60 ID:TQ2adfHR0
頭が、痛い。
力の入らない瞼を少しずつ開ける。視界はまるでデタラメだった。
色という色が、ミキサーで攪拌されたみたいにぐるぐるとまわっている。
TFEI同士の攻性情報戦にでも巻き込まれているのか、俺は。

「…………だい……うぶ…かしら……」

どこか憂いを帯びた声が、濁った視界を若干クリアにする。
ふと、視界の端をハルヒの心配そうな顔が掠めた気がして、急速に意識が回復していく。
そうだ、俺は「乙」に乗って、最後の仕掛けで見事に意識を奪われて――情けない姿、ハルヒに見せちまったんだっけ。
でもいつまでも目を瞑ったまま自責していてもしかたがない。俺はハルヒに貶されるのを覚悟して、


1、一気に体を起こした
2、おそるおそる体を起こした


>>751までに多かったの 


安価で選択肢①に決定



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 19:04:43.24 ID:TQ2adfHR0
俺はハルヒに貶されるのを覚悟して、一気に体を起こした――はずだった。
ごちん。鈍い音が、鈍痛とともに頭蓋骨内で反響する。しかし悲劇は終わらない。
地面に転がり落ちた俺は、美しく舗装されたアスファルトに強かに後頭部を打ち付け、
よもや陥没骨折しているんじゃないかという激痛にのたうち回りながら、

「いってぇええぇぇぇぇええぇぇえ!」
「痛いのはこっちよ! よくも頭突きなんか食らわしてくれたわね、このバカキョン!」

ハルヒの怒声に、自分の愚かさ加減を知ったのだった。
どうやら俺は、俺の顔を覗き込んでいたハルヒに正面衝突する形で頭を上げてしまったようである。

「すまん、まさかお前が目の前にいるとは知らず――」
「言い訳無用よ! まったく、団長であるあたしの恩を仇で返すだなんて、どーいうつもり?」

覚醒の絶叫から一転、平謝りに徹する俺。
ハルヒは烈火の如く怒っている。そうだよな、恩を仇で返したら怒って当然だよな、って

「ちょっと待て、俺はさっきまで失神して寝てたんだよな?」
「そうよ! だからあたしが膝枕してあげてたのに……あ」

怒気で飽和していた大気が緩む。ばっ、と口を覆い隠したハルヒは、しかし既に手遅れであると知暁したのか、

「あんたが失神なんて情けないことするからいけないのよ。はぁ~あ、テンション下がるわね、もう」

まるで台本を読み上げるようなたどたどしさでそう言い終えて、くるりと俺に背を向けて、足早に歩き始めた。
酷ぇ。こっちのコンディションはまだ完璧じゃないってのに、放置していきやがった。
ハルヒの酷薄っぷりに溜息をつきつつ、先ほどまで寝ていたらしいベンチに視線を移す。
一枚の濡れたハンカチが落ちている。額に手をやれば、僅かな湿り気があった。
どうも、俺がハルヒに手厚い看病を受けていたというのは本当のことらしい。意識がなかったのが悔やまれるね。
ハンカチを拾って立ち上がる。さあ――あの感情表現が苦手な、心優しい団長様の背中を追いかけないと。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 19:05:53.13 ID:TQ2adfHR0
「……もう3時か、はやいもんだな」
「結構ジェットコースターで時間使っちゃったからね。誰かさんのせいで」
「はいはい、俺が失神しなかったらまだまだ時間があったって言いたいんだろ」
「ふふ、よくわかってるじゃないの」

「乙」降車後、俺たちはテーマパーク内を散策していた。
ハルヒの適当にぶらつきましょ、という提案が根因だ。
中央の噴水近くでドーナツワゴンを見つけて買い食いしたり、
再び見掛けたマスコットキャラクター「ちゅるやさん」に
好物らしいスモークチーズを与えたりと(中身は交代しているようだった)、
アトラクションなしでも、俺とハルヒはテーマパークでの時間を充実させていた。

「そろそろ歩き疲れたわね」

そんなわけがないだろうに、ハルヒは白々しく弱音を吐く。

「なんあらおんぶしてやってもいいんだぜ?」
「冗談きついわね。あ、でもお姫様だっこなら、王女気分になれていいかも」
「へいへい、それは恥ずいからまた今度な」

取り留めもない会話。それでも俺は感じていた。
ハルヒとの距離が、朝よりもずっと狭まっているということに。

さて――そろそろ散策も飽きてきた。この王女様と共に、夜までの時間をどうするか考えるとしよう。

1、アトラクション自由記述「」
2、アイスクリームが売られている。買ってみよう。
3、ん? どこからか視線を感じる。
>>820



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 19:07:42.78 ID:TQ2adfHR0
>>820が無関係レスのため→>>830に

830 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。2007/12/15(土) 23:09:11.15 ID:kMzRaSTG0 (PC)  

1.こいずみくんライド



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 19:09:31.74 ID:TQ2adfHR0
「どう、次に行くトコは決まったの?」
「…………」

次なるアトラクションを検索していた俺が、あり得ない名前の3Dシューティングアトラクションを見つけてそれを睥睨しはじめ、はや30秒が経つ。
"魔の手から地球を救え!こいずみくんライド☆"
平仮名表記というところを遊び心と感じるか一部の関係者を困惑させるための曖昧さと感じるかは、人それぞれ。
そして悲しいかな、俺は後者に分類される。「ちゅるやさん」と同じく可愛らしくデフォルメされた青年のキャラクターが、俺の懐疑心に拍車を掛けていた。
眼を閉じれば眼窩で、イケメン超能力者が「ええ、僕がモデルなんですよ」と爽やかに謳っている様がエンドレスリピートされる。
訳もなくむかついて、俺は無性に、このアトラクションの詳細を確かめたくなった。

「もう、キョンってば! あたしの質問に――」
「お前、シューティングは得意か? そもそもお前、ゲーセン行ったことあるのか?」
「失礼ね! ゲーセンくらい行ったことあるわよ。シューティングゲームは、そうね、一度か二度くらいなら経験があるわよ」

胸を張って経歴を述べるハルヒ。分かった、つまりほぼ未経験ってことでいいんだな?

「どうしてそうなるのよ。あんた、あたしの射撃の腕をなめてるんじゃないでしょうね」

ハルヒの射貫くような瞳に、泳いでいた俺の視線が束縛される。
いや、お前の反射神経は誰もが認めるところだが……あんまり銃の扱いに長けた女の子なんていないだろ?

「それじゃ、その例外を今から示してあげるわ。さ、早くそのシューティングアトラクションに行きましょ!」
「道なりに進めば見えてくるはずだ。それなりにデカい建物らしい」

ハルヒは今までの散策モードを解き、意気揚々と俺の手を引いて「こいずみくんライド☆」に歩き始めた。
どうやら俺は、ハルヒの急性行動喚起爆薬の導火線にうっかり火をつけちまったらしい。
この状態になったハルヒを止める術はなく、あとは引きずられるままに身を任せるしかない。
にしても――この「☆」が語尾につくだけで、どんな硬派なネーミングでも幼児向けのアトラクションっぽくなるのはどうしてだろう。
読む者の言語処理能力を一時的に退行させる、魔的な何かが含隠れているのかもしれないね。
閑話休題。



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 19:10:42.23 ID:TQ2adfHR0
近未来を思わせるサイバネティックかつインテレクチュアルな建造物が見えてきたのは、それから間もなくのことだった。
なんてったって目立つ。だが、周囲のアトラクションが翳むくらいに存在感を顕わにしているのは、その前衛的な建築手法ではなく――
建造物の上で燦然と輝く、デフォルメされた古泉の巨大看板であった。これから陽が沈むにつれて、ネオンが点灯すんだろう。
もし俺がモデルなら、全財産をかけてでも取っ払いたい代物だ。よく了承したな、あいつも。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「貴重品はこちらで預からせていただきます。立体ゴーグルを各自お取り下さい」
「はーい。でも貴重品まで預かる必要があるのかしら?」

ハルヒの余計な質問に、係員は懇切丁寧に返答した。

「ゲーム中はプレイヤーが無防備なる可能性があります。安全にご協力下さい」

待ち時間が3時間30分のところを待ち時間0分で通過した俺たちは、制服の毛色が若干他のアトラクションと異なった係員に、奥のブースに通された。
外面と同様内装も凝っていて、四面の壁の境界から専用リクライニングチェアまで、あらゆるオブジェクトが滑らかな流線型だった。
古泉主体のアトラクションにしては、勿体ないくらいの完成度である。
そして、まるで本当に未来の宇宙船に乗り込んだような気分になったのは俺だけではなかったようで、

「さっさと始めましょ。このゴーグルを付ければいいのよね?」

ハルヒが新しい玩具を与えられた子供のように、声を弾ませて聞いてきた。

「そうだ。チュートリアルが始まるから、最初は何もしなくていい」

せーの、と息を合わせて3Dゴーグルを付ける。暗転する視界。しかし幾ら待てども、肝心の映像が投影されない。
だが、俺が痺れを切らしてゴーグルを外そうとしたそのとき、

「こんにちは。このゲームの管理人、いちゅきです!」



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 19:12:59.55 ID:TQ2adfHR0
意図的に変調された古泉の声が、俺の耳に届いた。崩壊しそうになる腹筋を必死に支えつつ、ハルヒの反応を耳だけで伺う。
どうやら笑いをこらえているわけでも驚きにたじろいでいるわけでもなさそうだ。意外と元が古泉だって気づかれないもんなんだな。
それで……えーっと……いちゅきくん、だったかな? 早速だが、このゲームの概要を説明してくれないか?

「このゲームは多人数参加型シューティングアクションです。
 他ブースに存在するプレイヤーと共に、地球の征服を目論む悪の巨人を倒すのが、このゲームの目標となります」

ザー、と視界にノイズが走ったあと、デフォルメされた古泉(ええい面倒だ、以下いちゅき)が現れる。
そいつは現実世界の古泉と同じく長広舌を垂れ始めたが、要約すると、こうだ。
人々が寝静まった夜。悪の巨人は街を壊すために眠りから目覚める。
それと同時に選ばれし者が覚醒し、街の破壊を阻止すべく、戦闘機「こいずみくん☆」を駆使して巨人と戦う――というのが一応のストーリー。
どう見ても既成実話の流用だが、この際気にするのはよそう。
そして選ばれし者である俺とハルヒが、そのこいずみくん☆を操作するわけだが、

「勝手に要約されては僕の立場がありません。
 つまり、射撃役と移動役は別々になります。二名以上の場合は移動役は一人、残りは射撃役となります。
 丁度あなたたちは二人ですので、分担してください」

割り込んできたいちゅきに悪態をつきつつ、俺はハルヒに水を向けた。

「どうする? 俺はどちらでもいいが」
「んー、そうねえ。あたしも最初は撃つ方が楽しいかなって思ってたんだけど、
 3D空間を飛び回るっていうのもいいかも。キョンが決めていいわよ」

じゃあ俺は――

1、射撃担当
2、移動担当
>>900までに多かったの
安価の結果、選択肢①に決定




25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 19:15:13.02 ID:TQ2adfHR0
前回までの分はここまで

続きは今から書いていく



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 19:27:35.28 ID:5TCzeib9O
wktkwktk


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 19:36:39.93 ID:TQ2adfHR0
じゃあ俺は――射撃を担当しよう。
中学校時代、シューティングゲームの覇王とまで謳われた国木田。
学校帰りにゲーセンに寄ったことは数知れず。その国木田に鍛え上げられた腕が鳴るぜ。

「あんたってシューティングゲーム得意だったの?」
「まあな。自称中級者上級者には一日の長があるつもりだが」

ハルヒは珍しく感心しているのか、ふーん、と細い息を漏らした後、

「じゃあ攻撃は任せるわ。あんたの働きには期待しているからね」

居丈高にそうのたまった。もう対巨人兵器戦闘機「こいずみくん」の船長になったつもりなのか?
二人しか乗組員はいないんだ、ヒエラルヒーなんてあってもなくても一緒だと思うんだが。

「気分よ気分! さ、それじゃ早速ゲームを始めましょ」
「了解しました。それではゲームを起動します」

親しみやすい口調から一転、懐かしい仰々しい口調になって、いちゅきが画面脇に退いた。
ゲームでよく見掛ける「Now loading...」の文字列が流れていく。そして――

轟音をかき消す轟音。空気を震わす衝撃の波。画面一杯に飛び交う紅玉。
天にも届かんばかりに聳え立つ巨人が、鈍い動きで長い腕を振り下ろし、

「きゃっ!!」
「うおっ!!」

俺たちの初期位置であるタワーの、二つ隣にあった廃ビルを吹き飛ばした。
鼓膜が張り裂けそうな爆風とともにコンクリート片が吹き荒れ、思わず顔を背ける。

「どうです、まるで現実世界をトレースしたようでしょう?」




52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 20:11:20.56 ID:TQ2adfHR0
気取った抑揚の声が聞こえてくる。そちらの方に視点を捻ると、
どういう理屈かは知らないが、とにかく3D化されたいちゅきが気障なポーズで佇んでいた。
先ほどまでのカジュアルな服装からインストラクタータイプにドレスアップされているものの、
それでも間抜けさが拭えないのは俺の腰程度までしかない身長故か。

「とても失礼なことを言われた気がしますが、説明を始めます。
 まず、専用チェアの肘掛けにあたるマニュピレーターに手を当ててください」

言われた通りに手をあてる。ひんやりとした感触が両手を包んだ。例えるなら、固めのゼラチンか。
興味本位で動かしてみると、前後左右に視点が動いた。ほう、主観視点のゲームが、さらに直感的になったような操作感だな。
FPSゲーム慣れしていなさそうなハルヒが気になって耳を欹てると、

「すっごいわね! えっと、こうしてこうしたら……」

早くもゲームの仕様に順応しているようだ。無用な心配だったな。
暴れ続けている巨人と、その周囲を高速で飛び駆けている機体群をバックに、いちゅきは説明を続ける。

「プレイヤー操作に関してはお分かりいただけましたか?
 それでは次に、対巨人兵器こいずみくんの初期機体タイプを選択していただきます」

いちゅきの可愛らしい指が、パチリと鳴った。
なんでもありの3D空間。燐光が弾けた後、俺の眼には三台の「こいずみくん」がまるで最初からそこにあったかのように映っていた。
カラーリングは青、赤、黄の三原色だった。もしかして、ゲームシステムは従来のそれを採用しているのか?

「ええ。もうお分かりかと思いますが、赤は攻撃力重視、青は敏捷性重視、黄は中立的な性能となっています。ご自由にお選びください」
「あたしは断然、攻撃重視の赤ね。回避よりも先に相手を叩き潰すのよ」

俺の隣で危険思想を仄めかすハルヒはおいといて。この選択は、この先のゲーム進行に大きく影響を与えそうだ。
ここは――「    」のこいずみくんに乗ろう

>>58  赤、青、黄のいずれかを記入




58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 20:14:29.48 ID:hhwEe9dr0
●<赤


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 20:44:40.25 ID:TQ2adfHR0
ここは赤のこいずみくんに乗ろう。いくらゲーム内で直感的な操作が可能だとしても、超初心者の俺とハルヒの操作はしばらく不安定だ。
精密な動作や高度なテクニックを要求する敏捷タイプは、まず使いこなせない。
だから俺は、少々無様でもバシバシ攻撃できるタイプの方が楽しめるんじゃないか、と考えたのだ。
奇しくもハルヒの意見と合致してしまったわけだが、ま、俺の選択理由はハルヒのに比べて至極合理的なんだし、
ハルヒの気も害せずにすんだのだから一石二鳥ということでよしとしよう。

「それでは搭乗下さい。近づいて決定ボタンです」

マニュピレーターを動かす。途端、視点が切り替わって、気づけば俺は、後部のコックピットに乗り込んでいた。
遅れてハルヒも乗り込んでくる。二人揃ったのを確認して、各種ディスプレイが点灯しはじめた。

「無事搭乗できたようですね。次に、こいずみくんの操作方法を――」

機体の壁を透過して、いちゅきの姿がインストラクションを続行する。
が、俺ははやくも、いちゅきの話に耳を傾けるのをやめて、憐憫の視線を送っていた。
お前の講説はありがたいんだが、生憎俺には必要ないし、うちの船長にはちょいと長すぎたみたいだ。
懲りずに続けるのは構わないが……お前、そこにいたら轢かれるぜ?

「ふむふむ、このペダルがアクセルでこっちのレバーがブレーキね。レーダーも良好、と」

ハルヒは順調に点検を済ませていく。腹に響くような駆動音が、耳元で鳴る。臨場感は抜群だ。

「え、ちょっと待ってください! まだ説明が終わってません!」
「んー、それね。もういいわ」

すっかりいちゅきに関心をなくしたハルヒに、アクセルが踏み込まれる。当然のこと、出力は全開で。

「そんな、あ、滑走路はこっちです―――ご、御武運を――お祈り―――」

景色が加速する。途切れ途切れのいちゅきの言葉に見送られて、俺たちは夜の街に飛び出した。




71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 20:47:05.79 ID:yGhy2VBB0
いちゅきwwwwwwwwwwwwwwwwwww


72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 20:48:58.39 ID:hhwEe9dr0
つーか会話成立してるのかよw


78 名前:>>72 いちゅきには疑似AIが搭載済み[] 投稿日:2007/12/16(日) 21:15:48.85 ID:TQ2adfHR0
巨人を中心にして広がる広大なフィールド。その遙か上空を、俺たちは戦闘に加わらず飛翔していた。
発進時の機体の不安定さは、チェアからは微振動として、画面からは不規則な揺れとして表現されていた。
恐らく、こいずみくんが被弾、もしくは衝突したら、もっと激しい振動が返ってくるのだろう。

「キョン……あたしたち、空を飛んでるわ……雲も、月も、本当に本物みたいね……」

美麗なグラフィクスに陶酔しているハルヒをよそに、俺は試し打ちをしていた。
通常射撃ボタンでは、中くらいの紅弾が発車される。レバー脇に設置されたスイッチは押しても反応がなく、どんな役割を果たすのか分からない。

「あと一分くらい、いちゅきの説明聞いてりゃよかったかもな」
「その内分かるでしょ。それより、そろそろ巨人をぶちのめしにいかない?」

ハルヒが操縦桿を片手で持ちつつ振り向いた。明らかに浮き足だっている。ま、それも当然か。
廃ビルから飛翔して3分後には、プロ顔負けのアクロバット飛行を可能にしているんだもんな。
末恐ろしい才覚だよ、まったく。

「それじゃ、行きますか」
「いい? やるからにはトップの成績を上げるまで射撃の手をゆるめちゃダメだからね!」

機首が傾き、自由落下を開始する。平和的観光の時は終了し、激しい戦火の中に飛び込む時間だ。
厚い雲を抜けた先。そこには青白い燐光を放つ、巨人の頭があった。
遠目でも覚悟していたが、いざ接近するとその巨大さに気圧されそうになる。
だが――こっちには巨人なんかとは比にならないくらいに心強い同乗員、いや船長がいる。

「撃って、撃って、撃ちまくりなさい!」

照準は元より外しようがなかった。いっぱいにトリガーを引く。
甲高い音と共に、大量の紅弾が直線を描いて飛んでいく。1、2、3...Hit。

「やったわ、直撃よ! でも……あんま効いてないみたいね」



87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 21:54:12.61 ID:TQ2adfHR0
落胆したハルヒの声が、前部から届く。

「もっと近くで撃たないと、威力が減衰するのかもな」

吸い込まれるようにして巨人に落ちた紅弾は、しかし線香花火の終わりのように、火花を上げただけだった。
接近してからの射撃か、もしくは弱点を突いた射撃でないとダメージを与えることはできないようだ。

「面倒ね。ま、そっちの方がやりごたえあっていいけど」

だが、不利な条件と知って尚、ハルヒの姿勢に変わりはない。
そしてそれは俺にとっても好都合だ。弱点を発見するには危険を冒してでも接近しなくちゃならない。
巨人の攻撃にパイロットが怖じ気づいてるようじゃ、とても満足には攻撃できないからな。旋回していた機体が、再び降下を開始した。
街の風景が鮮明になり、他の「こいずみくん」が視認できる距離で、機首が持ち上がる。強烈なGに揺れる画面で、照準を定める。

「さあキョン、思う存分やりなさい。あの土手っ腹に大穴を開けてやるのよ!」

フルバーストで、紅弾をぶち込んでいく。ディスプレイ右脇のログに、Hitの文字がひっきりなしに流れていく。
今度は遠距離射撃とは違う、確かな手応えがあった。巨人が苦悶の咆哮を上げる。

「よし、効いてるぞ!」

と、俺が快哉を叫んでいたその時だった。宵闇が、影で一際暗くなる。俺が上を見上げたとき、既に巨人の豪腕は差し迫っていた。
……油断していた。こんなに上手く行くはずがなかったんだ。開始してから五分、俺たちはまともな戦果も上げられぬまま――

「なーに弱気になってんのよ」

ハルヒが弱気になった俺を一喝し、操縦桿をいっぱいに傾ける。巨人の腕は俺たちを掠めて、後方にあったビルにめり込んでいった。
まさに間一髪。事前にアクセルを踏み込んでいなけりゃモロに食らっていたはずだ。なあ、お前もしかして、巨人の攻撃を読んでいたのか?

「ふふん、あたしを誰だと思ってるの? 天才パイロット涼宮ハルヒよ!」




88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 21:56:45.26 ID:GrfRnymV0
流石ハルヒwww


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 21:56:58.88 ID:/NHrWcWo0
ハルヒかっけぇwwww


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 22:24:47.00 ID:TQ2adfHR0
その言葉で、俺は自分の愚かさ加減を知った。

「はは、ほんとに馬鹿だな、俺は」

自虐的な嘲笑。ハルヒは持てる力を遺憾なく発揮して、射撃を補助してくれている。
そう、最初から俺は被弾を気にせず、撃つことだけに集中すれば良かったんだ。

「これからは遠慮なくいくぜ!」
「次に手を緩めたら許さないんだから!」

規範法則限界の急旋回から、巨人の体躯に張り付くような軌道を描き、振り払う手を躱しながら、サテライト飛行へ。
その間、紅弾はミリ単位で調整された軌道に沿って、巨人の間接部分を容赦なく穿ち爆砕する。
トリガーを引くごとに昔の勘を取り戻していく俺と、操縦桿をきるごとに飛行軌道の鋭さを増していくハルヒ。
天井知らずに、ポイントが加算されていく。

「そこよキョン。もう少しで膝が崩れるわ」
「オーケー。二度と立てなくしてやる」

回避と攻撃が一体となった、鮮やかなヒットアンドアウェイ。他のこいずみくんが距離を置くまでに、俺たちの攻撃は凄まじかった。
そして――ゲーム開始から20分。巨人は、その惨憺たる巨躯を横たえて、燐光となって消滅した。
気づけば、俺たちのこいずみくん――名称・SOS――の獲得ポイントは、全体プレイヤーの2位にまで上り詰めていた。

―――――――――――――――――――――――――――――――

「1位ってどの機体なのかしら。気に入らないわね」

マニュピレーターから手を離しつつ、ハルヒが言った。
現在、巨人を倒し一躍有名となった俺たちは、高々度でこいずみくんを遊覧飛行モードに切り替えている。
眼下ではグレードアップした巨人が復活しているが、今は放置しておいて構わないだろう。




100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 22:31:34.37 ID:/NHrWcWo0
ついにあいつらが来るか…wktk


101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 22:49:00.67 ID:K3jg8bAL0
もしかしてあのコンビか?


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 22:54:17.34 ID:TQ2adfHR0
「世の中は広いんだ。俺たちを超える腕前のチームが存在していてもおかしくないだろうさ」
「だって悔しいじゃない。あんたには競争心ってものがないの?」
「あのな、これはプレイヤー同士がポイントを競うゲームじゃないんだ。協力して巨人を倒すゲームだろ?」

俺自身忘れかけていたゲーム概要を、悪ガキを諭す先生のように言い聞かせる。
折角安穏とした3D空間ぶらり旅を満喫してるってのに、1位と決闘したいなんて言い出されちゃ堪らないからな。

「んー……じゃあ初心者をちょっと教育してあげるっていうのは、」
「駄目だ! 一度でもプレイヤーキルしてみろ。俺たちの評判は地に墜ちるぞ」
「いいじゃん、暇なんだしー」

分かったのか分かっていないのか、ハルヒは唇を尖らせて、外の景観を眺める作業に戻った。
しかし――このゲームプログラムが巨人狩りだけのものなら、
退屈のあまり俺がハルヒの暴論に賛同してしまう可能性がないとも言い切れない。
俺はコンソールを叩き、暇つぶしにプレイヤーリストを閲覧することにした。

Raven....Oracle....Jack/O.....Nineball....

どれもこれも知らない名前ばかり。ま、それも当然か。俺たちだってこいずみくんに搭乗してから識別名を入力したんだ。
既知の名前があるはずない。俺はリストを閉じかけて、

「おいハルヒ、一位が誰か分かるかもしれないぜ」

並び替えができることを発見した。ファンクションキーを操作し、ランキング表示に切り替える。
ハルヒが勢いよく振り向く。ディスプレイに四つの視線が集まる中、スクロールが始まる。十位、五位、三位、二位・SOS、そして――

「WAWAWAってなんだ?」
「WAWAWAってなによ?」

俺たちは、仲良く揃って同音同句の疑問を口にした。WAが三つ。命名者の真意が、読み取ろうにも読み取れない。




108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 22:56:47.45 ID:zefLSgeK0
WAWAWAwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/16(日) 22:57:04.13 ID:hhwEe9dr0
出たwwwwwwwwwww


164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 00:41:04.95 ID:A2Q8sigt0
「特定の人間だけに分かる、何かの暗号かしら」

口元に手を当てて、ハルヒが推量を述べる。

「一理あるな。でも、WAWAWAの英字六つじゃ、暗号の籠めようがないと思うんだが」
「確かに無理があるわね。籠められたら籠められたらで凄いけど」

的確な俺の反論に、機内に沈黙が降りる。やがて解読を諦めたハルヒが、がしがしと髪を掻きむしって、

「WAが三つで[わわわ]……あーもう、理解不能だわ。もうちょっと捻りなさいよ、馬鹿じゃないの?」

悪癖を発揮し始めた。まあ、お前の歯に何かが挟まったようなむず痒さは分からんでもないが、

「こいつにはパイロットのセンスがあっても、ネーミングのセンスは最悪だったんだろ」
「じゃあ、適当につけたのかもね」
「その可能性が高い。ま、どっちにせよ、命名者が馬鹿であることに変わりはなさそうだ」

議論の焦点は、いつの間にか名前の真意解読から命名者への暴言大会にシフトしていた。
が、その謂われない誹謗中傷が電子情報となって届いたのか。はたまた安全区域で機体を遊ばせている俺たちを偶然見掛けたのか。

『馬鹿で悪かったな! お前ら、好き勝手罵りやがって』

強制的に通信回線が開き、元悪徳消費者金融の変声機使用済みボイスそっくりの声が聞こえてきた。
不味いな、もしかして今までの会話全て、丸聞こえだったりしたのだろうか。俺は一瞬、建前の謝辞を述べようとし、

「あんた誰よ! こっちはのんびりゲーム楽しんでるのに、邪魔しないでよね!」

挑発的な怒鳴り声にかき消された。威圧者に対する反抗姿勢は折り紙付きのハルヒである。だが、相手も黙って引き下がるような小心者ではない。

『俺か? 聞いて驚け! 俺はWAWAWAのキャプテンだぜ!』




165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 00:42:33.80 ID:scSWwypG0
馬鹿だwwwww


167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 00:45:19.37 ID:Z5s0uDbj0
wwwwwwwwwwwwwwwwwww


178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:06:16.55 ID:A2Q8sigt0
「へぇそうなの。だから?」

だがしかし、口喧嘩では古今東西無敵を誇るハルヒ。
反抗されようものなら、反抗意志がなくなるまで打ちのめすのがこいつのやり方だ。

『だからって、ええと、だから………』

超高速ジャブで相手を困惑させ、追撃をたたき込んでいく。

「はっきり喋りなさいよ、情けないわね! あんたそれでも男なの?」
『男に決まってんだろ、俺のナンパ歴をなめんじゃねえぞ!』
「あたしナンパする男って大嫌いなのよね。軽いっていうか馬鹿っぽいっていうか」
『あ、また馬鹿って言ったな!』

キャプテンの切ない叫びが、スピーカー越しに響く。激昂しているのは明瞭だ。
ハルヒは止めに、冷艶な猫なで声でこう言った。

「あんたの言葉全てが馬鹿っぽいのよ。底が知れるわね」
『うわぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁ』

なあハルヒ。もうそこまでにしておかないか。相手も十分反省しているみたいだし、
つーか、元はといえば俺たちが喧嘩売ったようなもんなんだし。

「あんたが言うならやめるわ」

素直に身を退いてくれたハルヒに安堵する。俺は三点リーダを垂れ流している通信を遮断しようとして、

『うちのが好き勝手に喋ってごめんなさい。僕らの用件は口論じゃないんだ』

どこか聞き覚えのある、幼い声音を聞いていた。いかに高性能な変声機であろうとも、声の特徴全てを隠蔽できるわけではない。




182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:11:18.07 ID:Mh+D9c/K0
国木田フラグww


183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:11:53.62 ID:Op7L+s3x0
うわぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁwwwwwww


193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:38:20.37 ID:A2Q8sigt0
「口論じゃないとすると、何なんだ?」
「純粋に、君たちと腕を競いあいたくなったんだよ。ログイン時間は互いにほぼ同時刻。
 ポイント獲得効率においてはこちらの方が若干上回っているけれど、実力は大差ないと思うんだよねぇ」

数値上では計れないことがある。だから実際に戦闘をして、どちらが上か確かめたいと?

「そういうこと。勿論、この戦闘において君たちには何のメリットもない。ハイリスクノーリターン。
 僕の完璧な恣意的申し出だよ。賞品を用意できたらいいんだけど、賭け試合以前に、PKが禁止されているからね、このゲーム」

不合理だよねぇ、とさも残念そうにシステムへの不満を零す、第二の搭乗員。
先鋒のお調子者は自分がキャプテンだと豪語していたが、実質の指揮官はこいつと見てまず間違いないだろう。

「どうだい? 僕の我侭を聞いてくれるかなぁ?」

軽く放り投げられた挑戦状。だが、この三年間培ってきた俺の第六感が、そこに乗せられた覚悟の重みを告げていた。

「少し時間をくれ。こっちで相談するから」
「いいよ。なるべく早く返事が欲しいな」

スピーカーに暫しの別れを告げて、俺は前部座席に身を乗り出した。

「どうする? 面倒なことになっちまったけど、受けて立つか?」
「相手に不足はないわ。でも、あんたが気乗りしないなら蹴ってもいいわよ。わざわざ他のチームと揉めることもないんだし」
「えらく消極的じゃねえか。あれだけ退屈退屈って喚いてたのに」

こいつにとってはまさに千載一遇のイベントのはずだ。だが、ハルヒは煌々と夜空を照らす人工の月を瞳に浮かべつつ、

「あまりこのアトラクションだけに時間を使うことはできないわ。よ、夜のイベントだってたくさんあるんだし……」

俺は―――「     」  

1、受けて立ってやる!
2、ハルヒの意向を尊重しよう
  

>>205までに多かったの




194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:40:03.99 ID:1vMtrr88O
1


195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:40:12.30 ID:0qBAdE52O
1


196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:40:29.10 ID:yfpp92G30
2


197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:40:29.56 ID:6OVHxgza0
1 のバトルで


198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:40:32.48 ID:Op7L+s3x0
1


200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:42:00.98 ID:rzK+Ap9x0
2


201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:43:29.58 ID:jzHAwdRj0



202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:43:31.90 ID:LdNjvqn80
ハルヒのために


203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:44:07.75 ID:MesIzPG00



204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:44:29.34 ID:79hI5x8+O
2


205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:45:11.81 ID:Bozg/kJh0



207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 01:46:03.42 ID:6OVHxgza0
かろうじて2が多かったな


219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 02:07:06.82 ID:eLFk5k4q0
デレハルヒがみたいおれとしては2になって安心


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 20:54:10.42 ID:A2Q8sigt0
トップランカーからの誘いを受けて、若干なりとも浮き足立っていた思考が冷えていく。
相手の、どちらが上なのか明確にしたい気持ちはよく分かる。
でもそれはあくまで、相手側の都合だ。受けて立ってやる義務はない。

「悪いが、今回はパスさせてもらう」
「キョン……」

ハルヒが、息を呑んでこちらを見つめる。いや、これはだな。
予約済みのディナーショーに夜影に映えるアトラクションと、夜のイベントは盛りだくさんだ。
お前の言うとおり、一つのアトラクションで時間を潰しすぎるのもどうかと思ったのさ。

『どうしてだい? こういった科白は好まないんだけど、もしかして怖いのかな?』

挑発にしては随分やんわりした物腰だな。
俺の意志を挫きたいなら、せめて臨戦態勢の森園生さんレベルでないと埒外もいいとこだぜ?

「畏れをなして逃げ出したとでもなんとでも思ってくれて結構だ。
 こっちにも予定があってな、いつまでもこいずみくんライド☆にかまけてる余裕はねえんだよ」

きっぱりと挑戦状受諾不可を表明する。それを聞いた相手の男は、

『どうせ――がダダこねんたんだ――くそ――』
『これで良かったのね―――争い――よくないのね――』

しばらくWAWAWAチームの面々とプチ議論をしているようだったが、

『そこまで言うなら諦めるよ』

やがて、心底残念そうにそう呟いた。
ネチネチ嫌味を言われるんじゃないかと気構えていた分だけ、拍子抜けする俺とハルヒ。




33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 21:13:15.71 ID:A2Q8sigt0
『君たちにも予定がある。熱くなりすぎて、そんな当たり前のことを失念していたよ』
「分かってくれたならいい。またの機会にでも対戦しようぜ」

社交辞令の挨拶を投げ返す。すると男は、スピーカー越しでも聞こえるように大きく溜息をついて、

『迷惑をかけてごめん。それじゃまたね、キョン』

最後の最後に――超ド級(死語か?)の爆弾を残して一方的に通信を切りやがった。

「おい待て、なんで俺の名前を知ってる!?」

個人情報を握られているという不安が、自動的に声のトーンを跳ね上げる。
が、既に通信は完全に切断されており、俺の声は虚しく機内に響くのみ。

「あんたをキョンって呼ぶのって……限られた人間しかいないわよね」

ハルヒは我が身のことのように表情を翳らせている。お前は余計な心配しなくていいんだ。
ほら、もしかしたら俺の知人だったのかもしれん。
大人数が集まる人気アトラクション内で遭遇する可能性はまさに天文学的確率だが、絶対ないとも言い切れないしな。

「違うわよ、あたしが心配してるのは――」

がしかし、俺のフォローはハルヒの心中を穏やかにするには微々たりとも役に立たなかったようで、

「ああもう、なんでこうなるのかしら!」

苛立ちを隠そうともしないまま、出発地点へと機体を下降させはじめた。
俺のことを知っている人間がいたことで不快指数が上がるのは俺であってもハルヒではあり得ないのに、何故こいつが苛立っているんだろう。
煮え切らない疑問が、胃に耽溺していく。轟という風を切る音や窓外の風景が、急に、色褪せて感じられた。




56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 21:55:37.23 ID:A2Q8sigt0
――――――――――――――――――――――――――――――

さて、3Dゴーグルから解放された俺とハルヒが、網膜に映る現実の非現実っぷりと三半規管の麻痺によって
慢性的な地震に襲われている通路を互いに支え合いながら進み、こいずみくんライド☆の正面玄関まで辿りつくと、

「こんにちわ……じゃなくて、こんばんわなのね。キョンくんと涼宮さん」
「よう、待ちわびたぜ。お前らには言いたいことが山ほどある」
「キョンの断り文句が虚言だったのか、疑いをかけ始めていたところだったんだ」

よく見知った面々が、それぞれ別の感情を胸に秘めて待ち受けていた。胃に溜まっていた不安が、瞬間的に氷解していく。

「野暮な質問だとは思うが、一応聞いとく。WAWAWAってのはお前らのチーム名か?」
「スタイリッシュかつハイテクなフォルムを連想させる、最高にイかした名前だろ? 俺が名付けたんだ――」

無駄に外来語を頻用する谷口は華麗にスルーして、

「そうだよ、勝負を持ちかけたのは僕だ。
 中学時代からキョンがどこまで成長したのか確認したかったんだけどねぇ」

国木田が仮想空間での未練を垂れ流す。
そして最後に半歩退いていた阪中さんが、

「あのね、最初に気づいたのはあたしだったの。SOSっていったら、涼宮さんとキョンくんの二人しかいないもんね」

得意げに発見時の感動を披露してくれた。
つまり――俺たちの活躍の一部始終を見届けた後、谷口が勝手に首位権限で自動音声加工の通信を開き、
平和主義者の阪中が制止するにも関わらず、国木田が中学時代のシューティング魂を再燃させて俺に非公式試合を申し込み、
俺がそれを蹴った、と。事の顛末はそういうわけか?

「概ねそれで合ってるよ。ほんと、キョンが僕の申し出を断るとは予想外だったんだけどさ」




72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 22:27:41.59 ID:A2Q8sigt0
そう恨めしげな眼でこっちを見るな。俺だって、お前と白黒つけたい気持ちは山々だったんだが――

「分かってる。予定があったんでしょ? 無理をいったのは僕なんだし、気に病むことはないよ。ゲーム中でも言ったけどね」
「ああ、キョンは悪くないぜ。"予定"があったんだからな。
 ところで、涼宮のやつはどこ行ったんだ? さっきからあいつの姿が見えないんだが」

会話に割り込んできた谷口に辟易しつつ、俺は周囲を見渡した。
確かに言われてみれば、正面玄関まで肩を支えてやっていたハルヒは先ほどから気配を絶っている。
さっきまで隣にいたはずなんだがな。俺は古泉ばりに肩を竦めて

「さあな、トイレにでも行ったんじゃ、」

最もありえそうな消息理由を述べようとし、

「あ、涼宮さん、キョンくんの背中に隠れてるのね!」

服の背面部分を急激に引っ張られ、後ろにひっくり返りそうになった。
首をいっぱいに傾けて背中を見ると、俺の服を両手で握りしめ、身を縮めているハルヒの姿が。何やってんだお前は。

「改めてこんばんわだな、涼宮。散々俺のネーミングを馬鹿にしてくれた分、しっかりお返しさせてもらうぜ」

谷口がいやらしく口端を歪める。ビクリと身を震わせたハルヒは、まるで親鳥の庇護なしでは生きられぬ雛鳥のようだ。
妙に高圧的な谷口と、萎縮しているハルヒ。立場が、日常と完全に逆転している。

「さてさて、俺の純粋な好奇心から生まれ落ちた疑問にきっちり回答してもらうぜ。
 なぁに、考える時間が要らないくらい簡単な質問だ」
「な、何よ……」
「何故お前らが二人っきりでここにいる? あの妙ちきりんな活動の一環なら、他のメンバーもいるはずだろ?」

言って谷口は、俺に「黙ってろ」と目配せした。こんな問答に何の意味があるんだか。時間の無駄だとしか思えないね。




78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 22:31:45.64 ID:gYAbAJPK0
背中に隠れるハルヒかわいすぎwwwww
と思ったらちょっと異常だったのか、空気嫁谷口


82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 22:36:58.07 ID:oGbAsAv0O
ニヤニヤがとまらねええええ


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 22:58:13.00 ID:IUyFwdII0
谷口無粋にもほどがあるだろww


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 23:00:17.58 ID:A2Q8sigt0
生意気な口調に激怒したハルヒに、こてんぱんにされる谷口を予見する。

「それは……キョンが……たまには、二人でって……」

だが。ハルヒの口から漏れ出たのは、通常時の覇気が数百倍にまで稀釈化された弱々しい一言のみであった。

「ほう。それでお前は了承したわけだ。二人で。テーマパークに。デートしようっていう誘いにな?」

もうそこらへんにしといてあげなよ、という国木田の制止も聞かず、谷口は続ける。

「お前らっていつも一緒だよなー。学校でもプライベートでもさ。
 俺、お前らのことを見る度に勘違いしちまいそうになるんだよな。もしかしてお前ら――おっと、危ない。この先は口が裂けても言えねえ」

谷口は際限なく調子に乗っていく。俺は普段と明らかに様子が違うハルヒが気になって、

「おい、どうして何も言い返さないんだ――」

再び首を捻ったまま驚愕のあまり硬化していた。ハルヒは、まるで重度の黄熱病に罹患したかのように顔を紅く染めている。
外気との気温差で、肌が過敏に反応したのだろうか。ポケットにつっこんでいたおかげで暖まっていた両手で、ハルヒの頬を包み込む。

「大丈夫か? 寒いんなら言えば良かったのに、なんで黙ってたんだ」
「え……あ……うん」

しどろもどろに返事をするハルヒ。その声は細く、今にも消え入りそうである。
どうやらここらで、谷口に熱~いお灸を据える必要があるみたいだね。
制裁、粛正といった役所は本来俺にまわってくることがなく(主にハルヒ担当)、今回はかなり希少性の高いケースなのだが、
会話の流れからするにハルヒをこんな風にしちまった責任の一端は俺が担っているみたいだし、
懲らしめる対象が谷口であることが、行為後の後腐れのなさを裏付けしている。例え思う存分やっても、お咎めを食らうことはないだろう。

「ところで谷口。昨日の話では男女比率1対1といった話だったが、女子は阪中一人だけみたいだな」




100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 23:06:49.16 ID:4cePuHcM0
谷口は後日ハルヒからも瞬獄殺を受けそうだな


109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 23:12:58.38 ID:X0ZiOy/FO
谷口終了のお知らせ


111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 23:17:26.02 ID:jzHAwdRj0
もう無理wwwニヤニヤが止まらんwwww


120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/17(月) 23:29:12.89 ID:A2Q8sigt0
出来の悪い小学生でも分かるぜ。現在の男女比率が2対1という数学的矛盾にな。

「とすると普通に考えて、お前らのどちらかが、誘いをかけてフラれたこということになる」

俺は明日の天気予報を尋ねるように、すっかり菫色に染まった西空を眺めながら、

「あー、阪中。お前は国木田と谷口、どちらに誘われたか憶えてるか?」
「えーっと……」
「言うな阪中! こいつは極悪非道な犯罪者予備軍だ、うかつに口を滑らすと――むごむご」

出し抜けに支離滅裂な言葉を吐き出し始めた谷口を、後ろから羽交い締めにする。さあ、続きをどうぞ。

「国木田くんが誘ってくれたのね。明日一緒に行こうって。あたし、とっても嬉しかったのね」
「阪中さんは以前からこのテーマパークに行きたがってたからね。丁度いいと思ったんだ」

にこやかに会話を紡ぎはじめた国木田と阪中。その微笑ましい光景を見遣りつつ。
俺は静かに、今となっては浜辺に打ち上げられた海月のように消沈した谷口に、止めの剣を突き刺した。

「ということは、だ。誰一人として女子を誘えなかったのは、谷口――お前ということになる。
 いや、誘ってはみたが誰にも承諾してもらえなかった、といった方が語弊が少ないのかもしれないが」
「wawa......wawaa.....wa........wawaaa.........wawawa.....」

壊れたラジオと化した谷口。国木田と阪中の手によって、不燃物処理場へと廃棄されるのは時間の問題だろう。

「仇は討ったぞ、ハルヒ」

もう大丈夫だぞ、と背中に隠れていたハルヒに呼びかける。
精神的ダメージによって事実上沈黙した谷口を見て、ハルヒは少しだけ微笑んだ。

「あ、ありがと。でも、あんたにしてはちょっとやりすぎかもね」




184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 00:57:55.26 ID:KvqLjiGN0
完熟林檎のようだった頬は白磁の色を取り戻していた。
見た感じ、熱はもう引いている。異常事態は一時的なものだったみたいだな。
俺は、もう一度頬を包もうと上げかけていた手を下ろし、

「お前ら三人は、これからどうするつもりだったんだ?」

阪中と談笑している国木田に水を向けた。

「僕たちはこれから夕食を取ろうかと考えていたんだよ。
 本当はもう少し遅くてもよかったんだけど、君たちが早々にゲームをやめちゃったから」

はいはい分かった分かった。いい加減しつこいぞ。今度お前と来たときは、心ゆくまで勝負してやるから。

「ルソー、ちゃんとご飯食べてるかな……」

夕食という単語を耳にした阪中は、遠い目で豪邸にいる愛犬のお食事事情を気に掛けていたが、

「そういえばキョンくんと涼宮さんは、もう食べるところ決まってるの?」

はた、と名案を思いついたように瞳を輝かせて、

「決まってないならあたしたちと一緒にどう? きっと、皆で食べれば楽しいのね!」

刹那――微妙な空気が流れた。国木田はフリーズドライされた野菜のように人懐こい笑みのまま静止し、
谷口は精神的大ダメージから立ち直れていないのかうんともすんとも言わず、ハルヒは酸欠状態に陥ったかのように口をぱくぱくとさせている。
阪中のお誘いは純粋に嬉しい。だが、俺たちは特待パスポートのおかげでディナーショーを予約してあることになっている。
予定の変更は俺とハルヒ次第。さて、どうしたものか――

1、ディナーショーに行こう。鶴屋さんの計らいを無碍にはできない。
2、阪中たちとどこかで適当に食べよう。また何かの拍子に、ハルヒが真っ赤になりそうで不安だが…
   

>>200までに多かったの




185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/18(火) 00:58:30.16 ID:GJ/U0fPh0
これはだろ…


186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/18(火) 00:59:54.90 ID:FfaGoj3A0
1


187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 00:59:57.74 ID:NPYLVpNL0



188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:00:23.91 ID:QbuP4+VA0
以外ありえない


189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:00:33.89 ID:4NlXlU+m0



190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:00:35.32 ID:FAHE6gZI0
1だろう


191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:00:45.89 ID:+BViWJXYO
ここはあえて・・・
やっぱ1


192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:00:48.67 ID:bGPcAidW0
1いやあえて


193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:01:13.10 ID:O37uFNX3O
1


194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:01:15.46 ID:Tfjh1AvDO
さすがにだな


195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:01:36.40 ID:7IJ6u6IJO
2にしようと思ったがやっぱ


196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:01:45.80 ID:s01rChzj0
1しかなさげ


197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:02:03.90 ID:qzIx/DTO0
どう考えても


198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:02:10.72 ID:214ANLH/0
1


199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/18(火) 01:02:36.31 ID:oKoB8J7LO
1


200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:02:38.40 ID:y3Rrb9ekO



216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:45:28.10 ID:KvqLjiGN0
「誘いは嬉しいんだが、ディナーショーを予約してるんだ。ここからは別行動ということになる」
「折角会えたのに。でも、それなら仕方ないのね」

納得したように頷く阪中。微妙に張り詰めていた空気が、徐々に呼吸しやすい空気に回帰する。
と、それに従って金縛りからとけたのだろう、国木田は引きつった笑みを解凍しながら、

「キョンと涼宮さんが予約しているのって、中央ホールのディナーショーのこと?」

頭に引っかかっていたものを取るようにそう尋ね、

「中央ホールで6時から、って書いてあるわ。ショーの内容は記載されていないけど……」
「すごいよ、本当に凄い!」

ハルヒがディナーショー開催位置を復唱した瞬間、驚嘆の声を上げた。そしてチケットが自分のものでないことに気づくと、

「いいなぁ。君たちが羨ましいよ。もし持っているのが君たちじゃなかったら、外聞をかなぐり捨ててまで手に入れたい代物だよ、それ」

羨望の視線を俺に、憧憬の視線を胸元のチケットホルダーに向けてくる。
高級料理のオンパレードであることは想像に難くないが、そこまで価値のあるものなのか? ショーの内容は未発表なんだぜ?

「キョンは情報誌とか読まないんだよね。いいかい、今日そこでライブするのは――」
「そろそろ行くのね。あたし、お腹空いちゃった」

気になる部分で、阪中が会話を分断する。だが、その催促ももっともだ。
ふと空を見上げれば。菫色だった空は紺碧に塗り替えられていて、
仮想空間とは違う現実の月は、時間と共に確実に存在感を増し始めていた。夜の帳が、降りようとしている。

「それじゃ、そろそろ僕たちは行くよ。また学校で」
「wawa......waa....wa........じゃあな、キョン」
「寂しいけど、バイバイなのね」




223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 01:50:55.66 ID:mJvTFZV8O
谷口終了wwwwwwawwwawawa


245 名前:ちなみにライブするのはENOZじゃないよ[] 投稿日:2007/12/18(火) 02:25:01.49 ID:KvqLjiGN0
じゃあな、と軽く手を振って別れを告げる。
最後まで壊れたままの谷口が少し気がかりだったが、明後日あたりには完全に自己修復しているだろうし、
俺があいつ言葉責めをしたことは悔悟すべき事柄じゃない、と割り切ることにした。

「俺たちも行くか。中央ホールまでは遠いから、今から向かえば丁度開演時刻の30分前ってところだ」
「………え、なに?」

ハルヒは三人が雑踏に紛れた方に、目を奪われていた。双眸はまるで寝起き時のようにトロンとしている。
まだこいずみくんライド☆の感覚が抜けきっていないのか? なんならもう10分くらい休憩してもいいが。

「ううん、もう大丈夫よ。さっきはなんて言ったの?」
「時間が迫ってるし、そろそろディナーショーに行かないか、と」
「そうね。でも30分も時間あるなら、ちょっと寄り道していってもいいかも」

こいずみくんライド☆前からは、それぞれ東方面と南方面に通じる大きな通路が、二本に分かれている。
寄り道せずに直行するもよし、開演時間ギリギリまで寄り道していくもよし。だが……こういう二択ってのは決めるのが難しい。
寄り道すれば思わぬ出会いがあるかもしれないし、早めにホール前に行けばバンドの人たちと会えるかもしれない。
どちらにするか悩んだ挙げ句、俺はハルヒに選択権を譲渡しようとし、

「キョンが決めて良いわよ。あたしはそれに従うわ」

例によって例の如く、俺の判断力に一任された。ここは――


1、まだ時間はある。寄り道しよう
2、寄り道せず、真っ直ぐホールに行こう
3、ハルヒは少し眠そう(?)だった。ベンチで休憩しよう


>>255までに多かったの




246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/18(火) 02:25:53.87 ID:GJ/U0fPh0



247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/18(火) 02:27:05.05 ID:Pzf5bCR60
2


249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 02:27:21.13 ID:bGPcAidW0



250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 02:27:53.88 ID:pJCOJbmkO
3


252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 02:28:08.89 ID:6EoWwGt3O



253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 02:28:22.76 ID:7IJ6u6IJO



254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 02:28:43.42 ID:9/M/tfeuO
3


255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 02:29:46.25 ID:6cg0hYbZ0



398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 19:54:09.40 ID:KvqLjiGN0
「それよりお前、疲れてるんじゃないのか? さっきも顔紅かったし」
「いきなり何よ。あたしはちっとも疲れてないし、顔も全然紅くなんか――」

ごにょごにょと否定するハルヒの手を引いて、近場のベンチに座らせる。
強引な形になったが、これもお前の身を慮っての行動なんだ。批判は受け付けないぜ。

「こんなとこでじっとしてるなんて勿体ないわ。何考えてるわけ?」

激しく抵抗するとまではいかないものの、脚をパタパタとさせるハルヒ。
そのなんでもないような仕草に、息が詰まりそうになる。あぁー、その。ここで誤解なきようにするには、
休憩所望の人間が溢れている夜のテーマパーク内で、ゆとりを持って座るためだけにベンチを専用することはまず不可能であり、
よって零に等しくなったハルヒとの距離のせいで揺れる艶美な脚線が網膜に映り込んだのは不可抗力であったと弁明しなければなるまい。
俺は湧き出ようとする劣情を押しとどめるべく瞑目し、

「じゃあ、これならいいか? 俺が休みたくなったんだんだ。こいずみくんライド☆で疲れたんだよ」

先ほどの提案は「俺の我侭」だということにした。これならハルヒは俺の提案を無碍にはできまい。
他人の懇意を尊重するようになったハルヒの心理の逆利用。二年前には想像だにしなかったそれを、俺は識域下で実践していた。

「よくぬけぬけと心にもないことを言えるわね。いいわよ、あんたがそういうなら座っててあげる」

しょうがないわね、と溜息をついてハルヒは脚の動きを止めた。二重の意味で安堵する。

「もう知ってるヤツには会いたくないわね」
「どうしてだ?」
「だって面倒じゃない。まあそれでもアホの谷口よりは万倍マシだけど」
「夜になっても人は減るどころか増えてるんだ。また誰かと鉢合わせするかもしれないぜ」
「その時はダッシュで逃げるわ。あんたも一々声かけちゃ駄目だかんね」

極度に既知の人物との接触を避けるハルヒに、吹き出しそうになる。お前、誰かに弱みでも握られてるのか?




403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/18(火) 20:11:46.28 ID:uBoVextpO
キョンわざとだろw羨ましいやつめ!


405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/18(火) 20:17:31.17 ID:TpNDgT5p0
どんだけ鈍いんだキョンの奴wwww

にやにやがとまんねえ・・・・・・


410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 20:40:40.63 ID:KvqLjiGN0
「まあ、そんなもんかしら……」

語尾を曖昧にしたまま、ハルヒは顔を渋めて空を仰いだ。
手持ちぶさたになった俺も、空の代わりに雑踏へ視線を落とす。
刻々と時間は過ぎていく。老若男女の人波は、夜の食事場を求めて走り回っていた。
如何に巨大テーマパークといえども、内包できるレストランやファストフードの数には限度がある。
夜と昼の境界にあたるこの時間帯。
有名店は言わずもがな、さほど注目されていない店でも、その店外には長蛇の列ができているに違いない。

「食事一つするにも一苦労だな。俺たちは並ぶ必要ない分ゆっくりできるが」

感想を投げつつ、右隣から消えた気配を辿る。灰色のコートの男性が、雑踏の中に消えていった。
一人、また一人と、ベンチから人が消えていく。それと比例するように、雑踏の人影は増していった。

「大都会の大通りの再現みたいだ。いや、それ以上か」

混沌としてきた雑踏から、焦点を引き下げる。
ベンチに座り続けているのは、既に俺たちと3組のアベックのみになっていた。
四つの椅子に四組の男女。一組あたりが占有できるスペースにはかなりの余裕がある。

「ハルヒ、狭かったらもっとそっちによってもいいんだぞ」

十秒後。待てど暮らせど返事は帰ってこない。
無視されるなんて心外だね。微動だにしないのがそのまま意思表示ってことでいいのか?

「おいハルヒ、」

困惑した俺は左に首を捻ろうとし――初めて肩に重みを感じて、ハルヒの無言状態の理由を知った。
やれやれ、俺の直感も捨てたもんじゃないってことか。やっぱりおまえも疲れてたんじゃないか、この嘘つきめ。
ハルヒの耳にそっと囁く。すぅすぅと幽かに寝息を立てるお姫様は、くすぐったそうに身動ぎした。




427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 21:16:46.17 ID:KvqLjiGN0
――――――――――――――――――――――――――――――

『わざわざベンチで見せつけやがって、殺ス、コロス、ころ――』
『挑発なのか? それは俺たちへの挑発なのか?』
『く、悔しくないもんね、お、俺は、うわあぁぁぁぁああ』

道行く男性グループからの怨嗟の視線照射を防ぎはじめて、はや30分。
にわかに活気を失った雑踏から腕時計に目をやると、時間は丁度良い頃合いになっている。
そろそろ歩き始めないと遅刻するかもしれない。だが――

「すぅ、すぅ」

ハルヒは俺の焦燥を露ほどにも知らず、定期的に寝息を漏らしていた。熟睡している。

「ここまで気持ちよさそうに眠ってられちゃ、起こす方は辛いよな……」

独りごちる俺。
世の中の母親の気持ちを少しだけ理解できたのはいいが、ここからどうするかが問題だ。
朝が弱い人間は目覚まし時計で起きるというのが一般的常識だが、妹の物理的攻撃による起床が日常的な俺は、
いざ起こす側となっては果てしなく無力である。声を掛けて起こすべきか、揺り動かして起こすべきか。
どちらの方がハルヒにとって良い目覚めとなるのか、全然分からない。

「んー、むにゃむにゃ」

心地よさそうに寝言を漏らすハルヒ。……こっちの気苦労も知らないで。
ま、朝からずっと歩き回って休憩もなしにアトラクションを乗り継いできたんだ。
この睡眠で少しなりとも疲れが取れたんなら、俺はちっとも迷惑に感じたりしないんだけどさ。
だが――。タイムリミットは差し迫っている。もう、問題を遷延することはできない。

俺はハルヒを、  

1、揺り起こすことにした 
2、声を掛けて起こすことにした
 
   
>>435




435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 21:19:10.75 ID:K/kIRIztO
当然2


455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 22:12:03.12 ID:KvqLjiGN0
「おい、起きろ。これ以上眠ってたらディナーショーに間に合わなくなるぞ」

俺は数瞬悩んだ挙げ句、声を掛けて起こすことにした。耳元に口を近づけているので、周りには拾われない程度の声量だ。
だがそんな俺の配慮も虚しく――ハルヒは鬱陶しそうに寝言を漏らすのみだった。

「……るさい……わね……」

俺の聴覚神経が正常ならば、確かに今、うるさいと聞こえたんだが。逸る気持ちを抑えつつ、もう一度声を掛ける。

「おい、起きろってば――」
「……うるさいわね」

ええいこいつめ、人を馬鹿にしてからに。

「起きろって言ってるだろ。いい加減にしないと放ってくぞ」

心にもない脅しをかけてみる。と、頑なに瞑られていた瞼が、ゆっくりと開いていく。
そして瞳が半分ほど顕わになった頃、ハルヒは俺の肩から頭をもたげて

「ん……おはよう、キョン」

よう、目覚めはどうだ。一から状況説明する必要がありそうか?

「えっと……こいずみくんライド☆に乗って、ベンチに座って、その後……」

転た寝してたんだよ、随分気持ちよさそうに眠ってたぜ。ディナーショーの夢でも視てたのか?
寝起きの耳には届いているかも怪しい、からかいの言葉。
だが――それはハルヒにとっては覚醒剤にも等しい効力を持っていたようで、
ぽやぽやしていたハルヒの表情は、急速に通常時の隙がないそれへと変貌していく。
羞恥に顔を染めてぐしぐしとよだれを拭うハルヒは、まるで父親に自室を覗かれた思春期の女の子みたいで可愛らしい。




459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 22:17:13.30 ID:LDSm6Lh80
このハルヒは何でこんなかわいいんだwww


461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/18(火) 22:25:26.63 ID:TpNDgT5p0
これほどハルヒがかわいいと思ったのは初めてだw

お・・・俺の嫁は長門だけのはずなのに・・・


478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/18(火) 22:57:06.81 ID:KvqLjiGN0
「あたし、いつから寝てたの?」
「さあな、気づいたときには熟睡してたから」
「不覚だわ………テーマパークに来てるのに眠っちゃうなんて」

いいんじゃないか。3Dゲームってのは視覚に負担をかけやすいんだ、脳が休息を求めてもなんら不思議はない。

「でも、あんたに退屈させちゃったし」
「別段退屈でもなかったぞ。お前の寝顔を観察するってのも有意義な時間の過ごし方だと、」

途端、ハルヒはキッと俺を睨付け、

「今すぐ従前30分間の記憶を消しなさい」

そいつは無理な相談だ。お前の無防備な寝顔は網膜に焼き付けて脳内アルバムに永久保管済みだからな。

「ッ!! あんたにはデリカシーってもんが、」
「冗談だよ、冗談。ま、写真に納めたいほどレアな一面を垣間見ることができて嬉しかったのは事実だぜ」

寝顔の一つや二つ別に恥ずかしがることでもないだろうよ、とのらりくらり弁解しつつベンチを立つ。
ハルヒもそれに追随するが、平衡感覚が取り戻せないのか、足下が覚束ない。

「御手をお貸ししましょうか、お嬢様?」
「結構よ」

強がるハルヒに苦笑して、俺は中央ホール目指して歩き始めた。歩調は遅めの、散歩するような速度。
ディナーショーの開演時間には、このペースではとても間に合わない。だが執事たるもの、常に優先すべきはお嬢様だ。

「ゆっくり行こうぜ。ちょっとくらい遅刻しても入れてもらえるだろ」

やがて隣にハルヒが並ぶ。依然唇は僅かに引き結ばれていて、頬も若干ふくらんでいたが――俺には分かっていた。それが、ハルヒなりの照れ隠しだということに。




528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/19(水) 01:01:47.54 ID:27+zdgbV0
――――――――――――――――――――――――――――――

ところで、ディナーショーという単語を聞いて皆さんは何をイメージするだろうか。
食事は勿論のこと、味覚以外でお客を愉しませる方法についての話だが。

一概にディナーショーといっても、親子連れに受けがいいマスコットキャラクターの喜劇や
中年の方々に人気の艶美なダンスショーなど、年齢層に適したイベントによってこのカテゴリは細分化されている。
そしてその中でも最もポピュラーなのが、有名バンドによる生演奏だ。
演奏するバンドにもよるが、若者の間では圧倒的にこのタイプのショーが好まれる。
その理由は一概には言えないが、慣れ親しんだ音楽に浸りながら束の間の大人気分を味わえるという魅力が主だろう。
さっきから他人事みたいにディナーショーのカテゴリを分析している俺だが、もしどのタイプを選びたいのかと聞かれれば、
俺だって一般的な若者の例に漏れず即答でライブを聴きながらのディナーを所望するさ。
まあもっともその願いも、目まぐるしく移り変わる視覚情報に翻弄されるよりも
ライブ演奏をBGMとして聞き流しつつ本命の料理を愉しみたい、という屈曲した持論から来ているんだが――

「本当にFrom bubbleが来てるだなんて……」

今現在、俺は口をあんぐりと開けた(比喩ではなくマジで)ハルヒの横で、
超有名jazzバンド「From bubble」の演奏に聴き惚れていた。ちなみにこのバンド名を知ったのは、ついさきほどのことである。
だが、空気にアルコールを攪拌させるような流麗な旋律と、アコースティックギターを手足の延長のように扱う神技に、
俺は入場してから5分後には、すっかりFrom bubbleの虜になっていた。
とてもじゃないが、これを聞き流しつつに食事を愉しむなんてことはできそうにない。……嘗めていた。
バンド演奏をBGMにする、とかなんとかほざいていた過去の自分が、最高に馬鹿げて感じられる。

「……それでは、しばらくは食事をお楽しみ下さい。後ほどある主要曲の演奏までには、まだ40分ほど時間がありますので」

主奏者らしき人物が一礼するのを見て、初めて一曲目が終わっていたことに気づく。
テーブルを見れば、並べられたオードブルには殆ど手が付けられていなかった。
主奏者含めバンドメンバーは全員ダークグレーのホンブルグを目深に被っていた。素顔を完全に確認することはできない。
やがて繊細なクレシェンドとともに、上品なjazzが流れ始める。こちらは一曲目とは違い、完全にBGMとして弾かれているようだ。




556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/19(水) 02:02:49.71 ID:27+zdgbV0
「これは国木田が羨むのも頷けるわね。吃驚したわ。鶴屋財閥のテーマパークだから何でもありだとは思ってたけど」

ハルヒが、ほう、と嘆息を漏らす。まだ余韻から醒めやらぬ状態で発音したせいで、頬杖は今にも崩れそうだ。

「実際に耳で聞いてこのバンドの凄さは十二分に理解したつもりだが、そんなに有名なのか?」
「有名なんてもんじゃないわよ。jazzバンドの代名詞ね。普段あんまり音楽を聴かないあたしでも知ってるのに」

呆れたようにこちらを見るハルヒ。時代の流行に疎いことをここまで後悔したのは初めてなんだ。
とりあえず明日には発売中のCD全てを購入する所存だから、もっと詳細を教えてくれないか。

「いい? From bubbleは徹底的に正体不明のバンドなの。
 分かってるのは、奏者が全員初老の男性であることぐらい。顔も帽子で半分隠れてるしね」
「週刊誌のカメラマンに盗撮された経歴もないのか。余程ガードが堅いんだな」

ハルヒはほくほくとしたムール貝のブルギニヨンバター焼きを口に運びつつ、

「そりゃもう、音楽関係者でさえ知らないって噂よ。本当の顔を知ってるのなんて家族ぐらいじゃないかしら。
 まさに秘密のベールに包まれてるって感じだわ」

秘密のベールか、魅惑的な響きだね。これ以上情報の収穫は見込めないと判断し、俺もオードブルに手をつけることにする。
フォークとナイフの使い方は学習済みなので、食事行程に支障はない。スモークサーモンのキッシュを二口サイズに切り分けて、口に運ぶ。
スモークの芳ばしい旨みと狐色に焼けたホワイトソースの甘みが、口蓋で自己主張しあい、やがて交ざり合う。
使い古された例えだが――舌が蕩けそうなほど旨い。ま、当たり前のことなんだが。
改めて、周囲を見渡してみる。モルタル塗りの壁に、淡い暖色の照明。
そこにjazzの旋律が絶妙のテンポで融け、まるで街外れのバーのような妖しいムードが漂っていた。
ホール内で唯一のティーンエイジャーある俺とハルヒは、もう幾度となく、他の客からの奇異の視線に曝されている。

「俺たち、浮いてるよな」
「わかりきったこと言ってもしょうがないでしょ。鶴屋さんの采配がなかったら、多分一生かかってもこんなディナーショーに出席できないわよ」




577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/19(水) 02:49:18.55 ID:27+zdgbV0
まったくだ、と首肯して、俺は再びナイフを操ることに専念することにした。
身分不相応とか場違いとか、一々気に病む必要はない。来た以上は存分にディナーショーを楽しまないとな。

―――――――――――――――――――――――――――――――

オードブルがなくなる直前、メインディッシュがウェイターによって運ばれてきて、テーブルの上は一気に賑やかになった。
フレッシュフォワグラのソテーも和牛フィレ肉のポアレもレンズ豆のポタージュもどれもこれもが所見であり(当然だ)、
俺はついテーブルマナーを忘れてその殺人的な美味しさを堪能しそうになっていたが、

「はしたないですわね、もっと落ち着きをもって味わいなさい」

まるでどこぞの上流貴族みたいに完璧なナイフ裁きを見せるこいつは、一体何者なんだろうね?
お前には一入の感慨による食欲暴走といった生理的反応がないのか。俺たちは最高級フランス料理を賞味しているんだぜ。

「それとこれとは関係ありません。どんな味であろうと動じない。それが淑女の嗜みというものではありませんこと?」

さいですか。すっかり役になりきっているハルヒに緘黙しつつ、俺はグラスに手を伸ばした。
持ち上げて、軽く傾ける。グラスの中で踊る琥珀色の液体は、白ワインではなくただの水だ。
未成年は飲酒不可。こればっかりは、鶴屋さんもどうにもできなかったようである。
ま、こんなとこでハルヒに飲酒されちゃ、泥酔状態のハルヒがもたらす惨状の事後処理を担当するのは必然的に俺になるわけで、
結局水で良かったという結論に帰結するには帰結するのだが、

「水はねぇよ。せめてジュースだろ」
「いいえ、これで良いのです。あのような甘味著しい低俗な飲み物では、高尚なフランス料理が汚されますわ」

………やれやれ、お嬢様になりきるのも大概にしとけよ。生徒会長みたいにペルソナに食われることになったら厄介だからな。
だが。俺は心中で諌言を呟きつつも、この口調に得体の知れない感情が生まれ始めているのを感じていた。嘘だ、俺は認めないぞ。俺がお嬢様萌えだったなんて――
ここは話題転換に限る。まだFrom bubbleの主演奏までには時間があるし、小話くらいはできるだろう。

話題提起>>586まで多かったの 

1、俺たちが去年の文化祭でしたjazz演奏、憶えてるか? 
2、ちょっとアルコール頼んでみようぜ 
3、From bubbleについてもっと聞きたい




580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/19(水) 02:51:04.48 ID:NdH32dHq0
2


582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/19(水) 02:51:36.59 ID:1g6H+BM+0
1


583 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/19(水) 02:51:49.27 ID:dTWsLg0N0
1


584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/19(水) 02:52:04.25 ID:bF0u/uJE0
1に1票


585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/19(水) 02:52:59.05 ID:FLsfXcxn0
1

586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/19(水) 02:53:02.05 ID:orbBZ6tn0



732 名前:名無しさん[] 投稿日:2007/12/19(水) 20:25:55.19 ID:srRHJRL0
ナイフとフォークを置いてBGMのjazz演奏に耳を傾ける。
そうしていると、眼窩に去年の文化祭の光景が映し出されてきた。気がつくと、俺はハルヒに水を向けていた。

「去年の文化祭でのjazz演奏、憶えてるか?」
「あったりまえじゃない。昨日のことのように思い出せるわ」

憤慨したようにハルヒは言い切った。そして反芻するように中空を視線を浮かべながら、

「みくるちゃんがトランペットで、古泉くんがドラムで、有希がアルトサックスで――あたしがヴォーカルで、あんたがギターを担当したのよね」
「その通りだ。今だから言えることだがな、よく発表まで漕ぎ着けたと思うよ。あのときはマジで切羽詰まってたし」
「あら、あたしは最初から成功すると思ってたけど? 実際の演奏もほとんど完璧だったしね」

私的満足度100%のハルヒに、どうだか、と頭を振って目を閉じる。
昨年の10月中旬。その時の記憶は、今でも瑞々しいまま脳梁の引き出しに仕舞われている。
例によって例の如く、God knowsのカバーをやりたいと言い出したハルヒが引き金となって、jazzバンド「Type SOS」は急遽結成された。
経験もあってjazzのリズムにいち早く適応したハルヒと、あらゆる基礎技能が神クラスの長門を除いたメンバーは、練習の度に慣れない楽器と悪戦苦闘していた。
朝比奈さんがトランペットのピストンをパフパフ弄ったり、古泉がスティックの構造把握に勤しんだり、
俺がギターの不自然でない持ち方の研究に励んでいたりしたところを、一体何度ハルヒに見つかり厳酷な指導を受けたことか。
演奏発表の3日前には何とか形になり、前日には普通に聞ける程度になり、当日に一応の成功を納めることができたのは、間違いなく長門のアドバイスのおかげだ。
ハルヒは余裕だったと吹聴しているが、あのときは本当にやばかった。発表当日帰宅後、連日の練習の過酷さに寝込んでしまうくらいに。
ま、それでも後日のハルヒの笑顔を見ると、ギターの技術を習得できたし充実感は有り余るほど得ることができたし、結局はバンドを結成して良かったな、と思えてしまう俺がいたんだが。

「でもね――」

と、俺が懐古していると、出し抜けにハルヒがニヤつきながら、

「一人だけ、いつまでたっても上手にならないヤツがいたのよね。
 みくるちゃんが同情しちゃうくらいへたくそなのよ。流石のあたしも、これじゃ文化祭当日までには間に合わないかも、って思うくらいに」




751 名前:名無しさん[] 投稿日:2007/12/19(水) 21:09:31.82 ID:srRHJRL0
その言い方が気になって、記憶の糸を辿る。
古泉はきちんと練習時間に比例して上手くなってたし、長門は元から完璧に演奏できていたし、朝比奈さんはなんとか期限内には吹けるようになっていた。

「……お前の考え違いじゃないのか?」

ハルヒは俺の言葉を無視して続ける。

「んでもって、そいつは意地っ張りで強情で、なかなか人に教えを請おうとしないの」

大馬鹿だな。人間誰しも一度は、形振り構わず頑張るってことを経験しなくちゃならないってのに。

「あんたもそう思うでしょ? このままじゃダメだー、って分かってるのに、プライドが邪魔してたんでしょうね」

お前に矜持云々を指摘されるようじゃ、そいつは相当頭の硬いやつだということになるが、長門朝比奈さん古泉の三人にその特徴は該当しない。
足りない頭を絞ってみても答えは一向に見当たらず、率直に尋ねてみることにする。

「なあ、それは誰のことを言っているんだ?
 俺の記憶が劣化せず、また何者かに改竄されていないとするなら、誰一人としてそんなヤツはいなかったはずだぜ?」
「質問を変えるわ」

心底疲れた表情で、ハルヒは溜息とともにはき出した。

「発表前日まであたしの個人レッスン受けてたのは誰だったか、よーく思い出しなさい」
「……あ!」

初秋の夜長。音楽室での記憶が、一気に蘇る。
最終下校時刻を過ぎた校内で、ハルヒに見守られながらギターの弦を弾いていたのは――

「俺のこと、ね。でも随分酷い言い草じゃねえか。ちゃんと俺は間に合ったぜ」
「あたしが付きっきりで教えてあげたおかげでしょー。まったく、あたしが教授を申し出るまで、ずっと一人で悶々してたんだから」




760 名前:名無しさん[] 投稿日:2007/12/19(水) 21:47:36.18 ID:srRHJRL0
ハルヒは優雅にグラスを左右に揺らしながら、

「みくるちゃんに聞かされたときは焦ったわよ。
 あんたが有希の正確無比な指摘で上達しないこと以前に、練習がうまくいかないことを隠してたってことに」
「知られたらお前が怒ると思ってたんだろうな、その時の俺は。
 問題を先延ばしにしても何の解決にもならないことは、分かりきっていたはずなんだけどさ」

そして事実、その日から俺はハルヒに、強制的に個人レッスンを受けさせられることになった。

「あんたってば、全然あたしの言うこときかなかったわよね」
「お前の教え方は上手かったけど、俺にはちょいとレベルが高すぎたんだよ」
「あら、あたしは懇切丁寧に教えてあげたつもりだけど?」
「音楽に関する才能で、お前の基準と俺の基準には元から雲泥の差があったんだ。溝が生まれるのは必然だったんだよ」

当時の思い出話が尽きることはない。
焦燥感を滲ませるハルヒと理解力に乏しかった俺は、何度も何度も衝突した。
今から思えばハルヒの教えに素直に従っていれば良かったのだが、
悲しいかな、人とは享受される側であるにも関わらず反発の姿勢をとってしまう生き物なのである。

「一人でやる、ってお前を突っぱねたこともあったな」
「それであたしも、じゃあ勝手にやりなさいよ、って音楽室を飛び出したんだっけ。売り言葉に買い言葉ね」

唯一無二の、俺だけを見てくれる先生のいなくなった音楽室で。
俺は開け放たれた扉から目を背け、黙々と独り練習を再開しようとしたが――

「でも、やっぱ独りじゃダメだって気がついて」

いつの間にか、俺の指はハルヒの携帯電話に電話を掛けていた。

「本当にびっくりしたわよ。だって通話ボタンを押した瞬間、あんたったらいきなり謝ってくるんだもの」




775 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/19(水) 22:31:58.39 ID:srRHJRL00
ふふ、と微笑するハルヒに、つい顔を背けてしまいそうになる。
当時の衝動的な行動をありありと思い出して赤面しているのを悟られたら、もっと弄られそうだ。
俺はハルヒの関心を逸らすべく、

「俺だってびっくりしたぜ。速攻で切られて電源OFFにされるかと覚悟してたのに、すぐに戻ってきてくれたんだからさ」

俺の謝罪後のハルヒの行動を、無脚色のまま陳述することにした。再び先生と生徒が揃った音楽室で、
あたしも言い過ぎたわ、なんて控えめなハルヒの言葉から反省会が始まったんだっけ。

「あ、あたしも悪かったと思ってたのよ。でも、あのまま電話してこなかったら本当に帰るつもりだったんだからね?」

今度はハルヒが恥ずかしそうに目を伏せる。一時的に形勢が逆転した。
俺が電話した3分後に音楽室に姿を見せたことから、俺はハルヒが校内の何処かで隠れていたんじゃないかと踏んでいるのだが、
ま、ハルヒが帰路についていたと主張している以上、追求することもないだろう。

「その後の練習は、至極順調に進んだよな」
「どっちが言い出したのかは思い出せないけど、あんな方法があったなら、最初から試していればよかったわ」

悔しそうにハルヒが呟く。それから俺とハルヒは同時に顔を見合わせて、

「あたしが歌うのに合わせた途端、一発で綺麗に弾けるんだもの」
「今までの練習はなんだったんだ、って思えるくらいに上手く弾けたよな」

これまた同時に、苦笑を零した。
ま、その練習法による上達効率上昇も、論理的に考えれば当然のことなんだが。
俺は絶望的にjazzのテンポを取るのが苦手だった。音楽とは、譜面通りに弾いても修得するものではなく、感覚として掴むもの。
jazzはその最たるジャンルの一つだ。ハルヒの歌声を注意深く聞き取ることで――俺はようやく、jazzを理解することができたのである。

「次の日のリハーサルで皆に驚かれたっけ。長門まで目を丸くしてたもんな」
「要はきっかけだったのよ。あんたは誰よりも練習してたんだし」




791 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/19(水) 23:17:01.99 ID:srRHJRL00
「そ、そうか?」

妙に俺を立てるハルヒに、戸惑いを隠せない。
俺は胸の辺りで生まれたむず痒い感情を殺すように、グラスの水を飲み干して、

「いや、きっかけ云々以前に、やっぱりお前のお陰だと思う。
 お前の個人レッスンがなけりゃ、お前の歌声でテンポをとれるようになっていなけりゃ、当日は失敗していただろうし」
「そんなことないわよ。あんたの努力が報われたのよ」

しかしやはり俺を立てるハルヒに、違和感を感じていた。
ハルヒの双眸には、決心しては躊躇ってを延々とループしているような、そんな逡巡の光が揺蕩っている。
――こいつ、酔ってるのか?
水で酔う人間は俺が知る限りいないが、ハルヒがこの妖しいムードに当てられた、という可能性は十分にあった。
ハルヒは芯が強いように見えて、その実、雰囲気に流されやすい。舞い降りるはずのなかった沈黙が、会話の隙間に潜り込んでくる。
これは良くない兆候だ。どことなく嫌な予感がした俺は

「そういやこの前――」

即席の話題転換を画策し、

「ねぇ、あたしずっと言い忘れてたんだけど」

ハルヒの独白に、言葉を遮られていた。従来とは一線を画した真剣な口調に、口をつぐむ。

「ほんとは、もっと早くに言わなくちゃいけなかったんだけど……」

BGMが遠のいていく。口の中はさっき水で潤したばかりだというのにからからで、固唾を呑もうにも呑めない状態だ。
やがてハルヒの薄桃色の唇が、小さく動く。だが、ハルヒの喉から声が漏れる直前―――

「大変永らくお待たせいたしました。これより、From bubbleの主演奏を開始しいたします。」




807 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/19(水) 23:57:20.40 ID:srRHJRL00
次レスまでの暇つぶしに

from bubble というjazzバンド名には理由があります
主演奏者の名前を色々いじった結果こうなった

あ、もし分かっても書き込まないでくれるとありがたい




814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 00:20:53.89 ID:mwoNamgOO
なるほどね


815 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 00:21:16.69 ID:HACb2KTcO
なんとなくわかった感じがする
続きwktk


818 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 00:32:17.15 ID:c8zWvtjJ0
司会者の明朗な声が響き渡った。静逸を保ちつつお喋りを愉しんでいた客たちの視線が、一斉にステージに集中する。
加速度的に、ホール内が喧噪に包まれていく。From bubble再登場の期待に、ディナーに参加している人間全員が浮き足立っていた。

「あ――」

ふと、ハルヒの言葉の続きがいつまで立っても訪れないことに気づく。戻した視軸の先、そこには、

「いよいよねー、愉しみだわ。最初の一曲で確信したんだけどね。
 あたしFrom bubbleの曲は全て網羅してるんだけど、CDとライブじゃぜんっぜん音質とか色々違うのよ」

――さっきまでの様子が、まるで虚構だったかのように明るいハルヒがいた。
表情に決意の色はなく、声音に不安の震えはなく、双眸に躊躇いの光はなく。
すっかり"From bubble登場を待ち望んでいる"状態に戻ったハルヒに、戸惑いを隠せない。
独白の結末を尋ねるべきなのか、それとも虚飾に隠れたハルヒに合わせるべきなのか。思惑を廻らせる。

「どうしたの? なんか浮かない顔してるわよ?」

ここは、

1、さっき、何を言いかけてたんだ?
2、なんでもないって。演奏、楽しみだな


>>825 までに多かったの




820 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 00:33:12.29 ID:aeSEotib0
1


821 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 00:33:16.21 ID:RAIUMl640



822 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 00:33:50.14 ID:Rco0oUnh0



823 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 00:34:04.76 ID:Ptx+AaXY0
1


824 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 00:34:22.73 ID:AT3G1sXeO
2


825 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 00:34:25.22 ID:2nIxgMzC0



847 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 01:10:34.05 ID:c8zWvtjJ0
ハルヒの態度が変質したからといって、中途半端に諦めることはできない。
それがもし重要な事柄なら、後で後悔に苛まれるのは間違いなく俺だろうしな。
質問に質問で返すのは御法度だが、この際どうでもいい。

「さっき、何を言いかけてたんだ?」

脈絡を無視した俺の問いかけに、ハルヒは最初、豆鉄砲を食らった鳩のように体を硬直させていたが、

「き、気紛れよ気紛れ」

明らかに挙動不審な動作で、首をステージの方に捻った。あれだけ焦らしといて逃げる気か?そうは問屋が卸さないぜ。

「教えてくれ。このままじゃ気になって、演奏がまるで耳に入ってこない」

質問から逃げ出さないように、ハルヒの撫で肩に手を添える。
俺らしからぬ大胆な行動だが、無意識下での行動なんだし多めに見て貰えるとありがたいね。ハルヒは数秒俺の左手に視線を落としていたが、

「……言い忘れてたの。あたしの我侭きいて、jazzバンド作りに協力してくれて……」

やがて、肩をぴくりと震わせて、

「……ありがとう、って言わなきゃならなかったのに……」

辺りの喧噪に押しつぶされてしまいそうなほど幽かな声で、そう言った。
緊張に張り詰めていた心の糸が、ぷつりと切れる。あのな――なんだって今頃、そんなことを言い出すんだ?
添えていた手を下ろし、懊悩に耽る俺。ハルヒの精一杯の謝辞をどう扱えばいいのか、さっぱり分からない。

「だって、あんたとはあの時たくさん喧嘩したし、無理もいっぱい言ったでしょ?」

僅かに尖った唇で、拗ねたような口調で、ハルヒは続けた。ルージュが、輝度を増した照明に妖しく煌めいている。




849 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 01:14:20.75 ID:4PMOnsTr0
うあwもうだめw萌え死んだwwwwwwww


906 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 02:32:33.29 ID:c8zWvtjJ0
「……だから、あたしはあんたに感謝してるって言ってるの」

そう言われてもな。先ほどから俺の脳裏を掠めるのはその場凌ぎのしょうもない科白ばかり。
気の利いた受け答えなんぞとてもできそうになく、下手に口を開けばハルヒの謝辞を無碍にしてしまいそうだ。

「んー、とだな。お前の迷惑をかけたという気持ちはその、見当違いで――」

だが、俺がもごもごと口籠もっている間に、

「演奏が始まったわ。聴きましょ、キョン」

美しい旋律が、ホール内に響き始める。From bubble主演奏第一曲目が始まった。
ハルヒは既に俺への独白から気持ちを切り替えたのだろう、目線をステージに合わせたまま逸らさず、
その姿からは"言わなきゃ良かった"という悔悟的なメッセージが容易に受け取ることができる。
――あぁ、またやらかしたのか俺は。
昼行灯の俺が迷ったときにできることなんて唯一つだ。余計なことを考えずに気持ちをそのまま言葉にする。
そしてそれは、今一生懸命捻り出した事じゃなくて、去年の文化祭ライブ終了後に感じたことでも良かったのさ。

「俺だって最初は面倒だとかだるいとか思ってたけどさ――」

音という音を支配されたこの空間で、俺の言葉が届くかどうかは分からないが。
顔をステージに向けて、視線をハルヒのそれと平行させたまま言う。

「――皆の前で演奏して、拍手を貰ったときの達成感は最高だった。だから感謝しなきゃいけないのはお前じゃなくてこの俺だ。
 お前がバンド結成するっていいださなかったら、俺はギターを触ることもjazzに親しむこともなかったんだから」

案の定、返事が返ってくることはなかった。
ふと流し目を送った先で、ハルヒは頬を僅かに綻ばせていたが、十中八九、ライブ演奏に感動しているんだろう。
心中で己の愚昧っぷりを罵りつつ、俺も演奏に耳を傾けることにする。
一曲目と同様に。聴く者全てを引き込むような誘惑の旋律が、耳朶を震わせた刹那――俺はFrom bubbleの虜になっていた。




912 名前: ◆.91I5ELxHs [] 投稿日:2007/12/20(木) 02:36:40.59 ID:c8zWvtjJ0
寝ます

明日は休みなので午前中から書けるかも
落ちてたら立てる

スレタイはこれと同じで


明日でハルヒパート終了するかもしれん
安価次第では明後日あたりになるかもだけど



それでは



913 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 02:37:36.38 ID:RAIUMl640
乙です。
でも無理だけは止めてくださいね


917 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 02:40:01.59 ID:H4E+RnRFO
乙!

で、このスレどうする?落とす?


918 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 02:40:28.84 ID:RAIUMl640
どうせなら埋めないか?


932 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 02:45:24.80 ID:H4E+RnRFO
埋め


984 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 02:55:30.50 ID:2I4nUgNhO
埋め


994 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 02:56:41.71 ID:g/26R6u5O
1000なら皆に魔法以上の愉快が降り注ぐ!


995 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 02:56:43.58 ID:WsqVds0a0
1000ならキョン妹は俺の嫁w


996 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/20(木) 02:56:53.28 ID:2I4nUgNhO
>>1000ならずっとvip


999 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 02:57:11.28 ID:RAIUMl640
>>1000なら長門は俺の嫁


1000 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 02:57:15.03 ID:+v0gtRNZO
1000ならノベル化ゲーム化マンガ化決定

ガチで



1001 名前:1001[] 投稿日:Over 1000 Thread
                   _ _
       ,、‐ " ̄:::゙:丶、  (    ,r::::l3゙::::::::/ハヽ:ヽ::::、:ヽ(⊃ , ソ       *     +    。     +   。 +
    {::://:::::::// ヽ\ト、:::::::!l ` .i
    ヾ l:::::::/ __ヽ `ヾ ィ、:::|.l  !  +    。     +    。     *     。
     |;:r::| ´(゙.ノ  l´)`゙ハ|l  i   イヤッホォォォォォウ!!!!!
      ヽハ  '''   '' レ./` ノ
        ´\  ワ .ノ ./   / +    。     +    。   *     。
        /ヾ ̄下、ノ  /
       ト~、_ヽ/_ .ィ / *     +    。     + 
      /  )   n_n レ
      /  /   |゚ω゚|| +    。     +    +    このスレッドは1000を超えました。
     /  /     ̄ ̄|                      かわいいは正義  
 ガタン||| . ィ  ___ ||||                     http://afox.2ch.net/news4vip/




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*コメント

     
  1. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月20日 08:37
    1ゲト
  2.  
  3. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月20日 08:42
    まとめ乙なのです
  4.  
  5. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月20日 08:51
    うっしゃ続きもwktk
  6.  
  7. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月20日 09:35
    一桁

    このハルヒ新鮮だなぁ・・・
  8.  
  9. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月20日 09:49
    新ジャンル「萌えるハルヒ」
  10.  
  11. 名前: kskする名無し!  投稿日:2007年12月20日 10:08
    待ってました!
    しかし相変わらず筆者の文才すごいな。
  12.  
  13. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月20日 10:30
    待ってましたー
    あぁぁ続き気になるううう
  14.  
  15. 名前: 名無し@こっぺぱん  投稿日:2007年12月20日 10:33
    ニヤニヤ
  16.  
  17. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月20日 10:54
    from bubble についてのヒントくれ・・・
  18.  
  19. 名前: VIPPERな名無しさん  投稿日:2007年12月20日 10:57
    From bubbleは機関の人たちかw

    新川(あらかわ)→あわから(From bubble)
  20.  
  21. 名前: 名無しさん  投稿日:2007年12月20日 11:53
    続ききたああああああああ
    作者も管理人も乙!!
  22.  
  23. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月20日 12:13
    ※10

    from bubble → 泡から → awakara ←→arakawa →新川

    じゃね?
  24.  
  25. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月20日 16:17
    次で終わりか…wktkが止まらないwwwww
    つか管理人風邪か、ゆっくり休んでくれ
  26.  
  27. 名前: VIPPERな名無しさん  投稿日:2007年12月20日 19:22
    プロローグ読んでちょっと興味が沸いたのでこのスレのために今からハルヒ買ってくる俺は異端
  28.  
  29. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月20日 21:13
    うわあああああああああああああああああああああああああああああああ
    なんというニヤニヤ
  30.  
  31. 名前: VIPPERな名無しさん  投稿日:2007年12月20日 22:40
    途中にRaven、Oracle、Jack/O、Nineballと書いた作者と
    それに反応した俺は間違いなくレイヴンの端くれ
     
    しかし読み応え有るな、続きにwktk
  32.  
  33. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月21日 00:38
    プレイヤーリストから察するに作者はアーマードコアファンか
  34.  
  35. 名前: VIPPERな名無しさん  投稿日:2007年12月21日 01:00
    おもしろい、結末が楽しみ過ぎる
  36.  
  37. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月21日 09:34
    俺も普通にレイブンの名前に反応してたんだぜw
    てかこの作者クオリティが高すぎるwwww
  38.  
  39. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月21日 11:07
    また>>1000変わったのか・・・
  40.  
  41. 名前: VIPPERな名無しさん  投稿日:2007年12月21日 23:12
    F7が気になって仕方がない俺
    このストーリーでは答えでないのかな・・・?
  42.  
  43. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月22日 00:58
    NineballがNiceballに見えたのは俺だけじゃないはず・・・
  44.  
  45. 名前:    投稿日:2007年12月22日 04:38
    Nice boatに見えた俺は末期
  46.  
  47. 名前: 名無し@ベアード  投稿日:2007年12月22日 12:14
    ニヤニヤがとまらんww
  48.  
  49. 名前: VIPPERな名無しさん  投稿日:2007年12月22日 23:06
    元スレもうすぐでハルヒルート終わりっぽい・・・
    2週目もあるのかな?
  50.  
  51. 名前: 名無し@こっぺぱん  投稿日:2007年12月28日 00:51
    なんというレイヴン潜伏率・・・
    じょ、冗談じゃ・・

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